関東学院中高生の祈りの場「グレセット礼拝堂」
キリスト教教育を掲げる関東学院中学校高等学校の朝は、グレセット礼拝堂で行われる礼拝から始まります。
学院全体で九つある礼拝施設のひとつ「グレセット礼拝堂」は、関東学院設立時から学院の教育に尽力した宣教師のJames Fullerton Gressitt氏の名前にちなんでつけられました。毎日の礼拝の場としてだけでなく、入学式や卒業式などの式典や学年集会のほかにも、近隣の小学校との音楽交流の場としても利用されています。
声が聞き取りやい空間を目指した改修工事
2017年夏、長きにわたり大切に使われてきたグレセット礼拝堂の改修工事が完了しました。
改修にあたり重視したのが、音響面の改善です。改修前の礼拝堂は、音が響きすぎてしまうため声が聞き取りづらいという問題がありました。そこで、壁と天井を全て解体し、吸音性の高い材料で造り替えると共に、新たなイスは以前より厚みを持たせた座全体を張り包むように設置し、吸音効果を高める施策を講じました。音を吸う布地を増やすことで、室内全体の音の響きを抑えたのです。
これによって、改修後の音の響きは格段に改善しました。
礼拝堂ならではの工夫を施したイス
新しいイスには、音響面以外でも礼拝堂ならではの工夫を施しています。
礼拝中の正しい姿勢と、集中できる座り心地をつくりだすために、背もたれの高さを通常より低めに設定。そして、背座に通常の劇場イスよりもスリムなパッドを設けました。低い背もたれでは、背中全体で寄りかかることができないため、自ずと背筋が伸び、姿勢を正すことができます。お尻が痛くならない適度な厚みのパッドは、気が緩みすぎず、礼拝中の適度な緊張感を生み出します。いずれも、礼拝堂ならではの工夫です。
1人分の間口寸法は、以前より15ミリメートル広くしました。15ミリメートルというと些細な差に感じますが、そのわずかな寸法が座った時の窮屈さを和らげ、快適さを向上させています。
そして今回新たに設けたのは、各席のイスの背面に備え付けた聖書入れです。聖書と讃美歌を横に並べることができる幅を確保し、底面には滑り止めを付け、機能性をアップしたこだわりの仕様です。
パッドの張地は赤。濃茶を基調とした落ち着いた雰囲気の室内に華やかさを加えています。
新しくなったグレセット礼拝堂で 、今日も生徒が祈りを捧げています。