札幌コンサートホール Kitara
大ホール

2018.05.29
劇場・コンサートホール

施設説明

中島公園に佇む音楽の殿堂、札幌コンサートホールKitara

札幌市民が四季折々の散策を楽しむ、自然豊かな中島公園。札幌市中心部のこの公園に、1997年7月、札幌コンサートホール Kitaraは誕生しました。

2,008席の大ホールと、453席の小ホール、そして大ホールステージとほぼ同じ床面積を持つリハーサル室も備えていますが、建物は3階建てと低層。横にゆったりと広がった建築が特徴的です。建物正面はエントランスを中心にガラスが張られており、広大な土地を持つ北海道ならではの豊かな広さが、公園内でもひと際存在感を放っています。

札幌コンサートホール Kitaraは、美しい建築だけでなく、音響設計面でも日本を代表するクラシックコンサートホールとして、高い評価を得ています。多くのアーティストたちにも愛される音の響きは、コンピューターを駆使して30通りもの初期反射音のシミュレーションを繰り返して完成しました。世界水準の音響設計が施されたホールとして、国内外のオーケストラや演奏家などが公演を行っています。一方で、札幌交響楽団の定期演奏会や、北海道吹奏楽コンクールも開催されるなど地元との繋がりも深く、開館から20年以上の歴史は、札幌で奏でられてきたメロディと密接な関係を持っています。

2,008席の大ホールのイスは、北海道産の木材がふんだんに使われたオリジナルデザイン

2,008席の大ホールは、客席が段々畑のように連なりステージを取り囲んでいる、ヴィンヤード形式です。客席空間に広がるダイナミックな曲線と、シャープなラインが光る大きなオルガンのコントラストは、北海道の雄大な大地と針葉樹林を思わせます。

客席のイスは、札幌コンサートホールKitaraのために設計された、銘木仕様のオリジナルデザインです。木部には、北海道産のマカバ材が用いられました。

背裏の突板は、木目の向きをあえて横に張ることで、緩やかなカーブを描いた横の列の繋がりに深い奥行を演出。三段に分かれた背もたれのクッションを包み込むような曲げ加工も、特徴的です。クッションは、首・背・腰のそれぞれを丁寧に支え、着席者の体圧を分散します。

太くどっしりとした肘当は、掌の触感にもこだわり、無垢材を使用しました。カタカナの「フ」にも似た肘と肘枠一体のデザインは、座裏の木部のデザインと相まって、空間全体の軽快なアクセントになっています。座のクッションも、背と同様に、座裏の木部が優しく抱え込むような装いです。

繊細な意匠に通じる「ものづくり」の心は、座り心地にも現れています。イスは、開館から20年以上を経た今も大規模な改修を必要とすることなく、オープン当時と遜色ない快適性を保っています。イスの脚はそれぞれの席の真下に設けられ、両サイドで支えるタイプに比べ、佇まいがすっきりと見え、足元も広やか。平均的なイスの間口ながらも、コンパクトに感じさせない、ゆったりとした掛け心地です。

やがて開館から四半世紀を迎える、札幌コンサートホール Kitara。今日も北の大地から美しい音色を紡いでいます。

居室データ

所在地
064-8649 北海道札幌市中央区中島公園1-15 地図
施主
札幌市
オープン
1997年7月
席数
2,008
建築設計
音響設計
関連リンク
札幌コンサートホール Kitara WEBサイト
テキスタイルデザイン:札幌コンサートホール Kitara | 株式会社FABRIKO WEBサイト

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