人との交流によって思考力を培う新規事業「WASEDA NEO」
1882年、東京専門学校として開校した早稲田大学。1886年からは、校外生制度と銘打った通信教育制度によって、各学科の教科書雑誌による在宅での学習を可能にし、学校に通うことが困難だった全国の青少年たちへ学問を奨励してきました。学ぶ意志を持つ人全てに分け隔てなく学びの場を提供する、それが早稲田大学の学問の礎です。
2017年夏、この開校当時の建学精神を受け継ぎ、新規事業「WASEDA NEO」がCOREDO日本橋内の日本橋キャンパスで幕開けしました。
この事業で最も重要視されているのは、情報が溢れている現代において、インターネットを介したコミュニケーションではなく、人と人との生身の交流を通じて“考える”思考力を培うこと。多様な業界・業種から集まった教員・研究者や各界のトップリーダーが交わることによって、学問的知見と実業界の知見が合わさること、リアリティある議論をスピーディーに行うこと、そしてその学びを実践の場で役立てる力を養うことができます。交流は発想力や思考力を促進し、未来を切り開く力を習得させるのです。
講師と受講者がコミュニケーションをとりやすい「Blendipityホール」
WASEDA NEOのコンセプトは「Blendipity」。技術・人・社会制度といった様々な“波”が出会い、交じりあって(Blending)意図せず大きな“波”を巻き起こす(Serendipity)ことを目指す意の造語です。
メイン教室となるBlendipityホールでは、主に外部講師による講演が行われています。机イスの配置は海外のビジネススクールではメジャーな、講師を取り囲むような円弧状配置です。
机イスは、これまで早稲田大学で多く採用されている製品をベースに、Blendipityホール向けのアレンジを施しました。カラーリングや形状は、内装に合わせたクラシカルな意匠で統一しています。何度も検証を重ねた隣席との間隔は、講師と受講者がどの席からも互いを近く感じ、快適に過ごせる適度な位置関係を実現しました。また、机の天板には席番を兼ねたネームプレート受けを設置したことで受講者の名前を講師が把握しやすく、コミュニケーションをスムーズにします。
講師のスペースは、クリエイティブなプレゼンテーションを行えるよう、敢えて教壇は設けずに広さを確保しています。
Blendipityホールを利用した受講生からは、「ホールを借りたい」との声が多く集まるようになりました。ホールを借りる受講生が新たな人を招き、招かれた人がまた新たな人を呼ぶことで、人と人が繋がり交流が広がっていく連鎖が生まれています。
また、施設内には、ホテルのロビーを思わせる会員制のクラブラウンジがあります。業界業種の異なる仲間が、リアルタイムで抱えている問題や課題について本気で語り合うことで、前向きに力強い一歩を踏み出す勇気も得られるかもしれません。ラウンジでの交流も、WASEDA NEOの重要な学びの一つです。