開港以来の歴史ある横浜市に、2011年1月、神奈川芸術劇場(通称:KAAT)が誕生。神奈川県の文化芸術の拠点とし、優れた舞台芸術作品の鑑賞機会を提供することを目的に新設されました。
KAATのホールは、これまでの劇場には無いコンセプトと設備を備えていることで、注目を浴びています。空間の「可変性」と客席との「一体感」のコンセプトにこだわったホールには、「床昇降システム」の可動客席が導入されたのです。1 階席は客席勾配を自由に設定でき(アダプタブル・フロア・システム)、客席が1 列ごとに上下に可動します。この設備によって、自由で多彩な演目や舞台演出に対応できるフレキシブルな客席が生まれました(最大1300席までの設置が可能)。舞台から客席までの距離も最大で25メートルと近く、同様の規模のホールと比べて、舞台と客席との一体感をより味わうことができるホールです。
また、床昇降に伴う可変に対応する客席づくりのため、1階席の全てのイスは、容易な着脱・移動が可能なつくりとなっています。イスのデザインにもこだわり、上下に可変する各段の動きに影響を与えることのない、肘・背下部のストレートなフォルム、背のクッションの薄いフォルムを実現。突き詰められた条件の中で快適な空間を最大限確保するため、座り心地を極限まで追求して、生み出されたイスです。背面からでも光沢を放つ張地の赤が見えるデザインは、ホール後方から入場の際にも華やかな印象を与えます。
【探訪レポート】神奈川芸術劇場×ナゾ解きゲーム!! KAAT the ツアー 『消えた衣装をさがせ!2』
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