事例紹介:教育施設

三重県立相可高等学校 多目的ホール

学科交流・地域密着の期待を担う多目的ホール

  • 学校統合を機に、多目的ホールのある実習棟を建設
  • 学年集会・学科集会での利用
  • 地域連携・地域密着の中心施設として

 普通科・生産経済科・環境創造科・食物調理科の4学科を持つ三重県立相可高等学校は、2010年4月に宮川高等学校と統合し新たにスタートした、創立104年目の高等学校です。統合を機に、調理実習棟建設に着手し、2011年5月、多目的ホールと食物調理科のプロさながらの調理実習室が生徒や地域の方々のために整えられました。

 ドラマ「高校生レストラン」のモデルである当校は、食物調理科が注目されていますが、予てから地域との結びつきが非常に強く、学校全体での地域交流が盛んに行われています。調理実習棟の完成で、地域の方々を招いての料理教室などがより実施しやすくなり、多目的ホールと合わせた活動も行えるようにもなりました。

 2階の多目的ホールには移動観覧席304席が導入され、学年全体での集会を中心に、学科全体、地域交流での様々な利用に期待が高まっています。

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≪インタビュー≫
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 三重県立相可高等学校 上野哲八校長  ohka_principal
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生徒のために、地域のために

 新しい調理実習棟ができ、非常にうれしく思っています。 本校は宮川高等学校との統合により校舎が手狭になったことから、校内を整備をすることになり、どのような施設にしようかといろいろ検討を重ねました。私どもは“生徒の夢をかなえ、地域と共に歩む学校”という教育目標を掲げて取り組んでおりますので、地域に開かれた学校づくりの中で、食物調理科を中心とした施設として調理実習棟を作りました。そこで、1階に調理実習室、2階には多目的ホールを作り、ここでは大きくは2つの機能を実現したいと考えました。一つ目は、学年全体で集まれる場所であること、二つ目は、地域に開かれた場所であることです。

 キャリア教育での卒業生や地域内外の方々のお話や、環境教育としての地元のメーカーの方のお話など、学年全体で集まりお話をお聞きする機会が多くあります。これまでは体育館に集まっていましたが、お話をお聞きするには広すぎると感じていました。学年全体が、一つの場所で外部講師の方々のお話をお聞きするためにちょうどよい場所が是非欲しい、と考えたわけです。

 地域に開かれた学校ということでは、これまでかなり本校の教育実践を外部に開放していると思います。その取り組みの中に、地域の方々を招いての調理教室があります。もちろん担当の教員がつきますが、生徒が講師となって調理を教えてさせていただいています。年間40回程度開催しています。多気町の方々を対象に20回、大台町は10回、その他に子ども料理教室などもやっていますので、このようなかなり多い回数になっています。これまでは、校門から一番奥の校舎の調理実習室で行っていましたが、これからは校門に近い調理実習棟で行うことができます。しかも2階の多目的ホールにテーブルを並べ、エレベーターで料理を運び、ここで食事をすることもできます。もっと地域の方々に来ていただける施設にしたいということも重要なポイントでした。
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アイデンティティを形成する、4学科交流を促す

 私どもが学年単位で集まることの意義として、大切だと捉えていることが、もう一つあります。
 本校は、普通科の他に3つの専門学科がありますが、敷地も広く、道路を挟んで、校舎や武道場のある敷地と、体育館や生産経済科、環境創造科の実習棟のある敷地とに分かれています。この広い敷地の中で、お互いに隣の学科がどのような勉強をしているのかよく知らないのです。そこで、本校では毎年、各学科がどのような勉強をしているのか発表する催しをやっています。平成22年度は松阪市の市民文化会館で実施しました。それを今度からは、多目的ホールで学年単位で集まってほかの学科の発表を聞くことができるようになり、よりお互いの学科を知ることができるようになります。

 今、食物調理科が注目されていますけれども、生産経済科もユニークな取り組みで成果を上げていますし、環境創造科、普通科もがんばっています。いろいろな学科があって全体で「一つの学校の生徒」という生徒たちのアイデンティティを作るうえでも、学年単位で集まれる場所は本校ではとても大切なのです。それぞれの学科でやっていることはもちろん違うのですが、自分たちが同じ学校の生徒であるという意識が、一同に集まって何かをするということによってできるのではないかと考えています。生徒たちが一同に集まって話をしたり聞いたり、隣の学科がどういうことをしているのか等を知るということでは、貴重な空間になると思います。
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学科全体での集会・プレゼンテーションの場としても

 本校は、環境創造科・生産経済科・食物調理科が各120名(40名×3学年)、ですので、多目的ホールでは1年生から3年生まで集まった学科単位の集会もできます。
 今、生産経済科では、伊勢芋を栽培したり、園芸福祉や園芸療法という観点で、小学校や高齢者施設でそこの方々と一緒に花を育てています。そういう自分たちの活動を発表する大会がありますが、そこでは非常にプレゼンテーション能力が問われます。このような大会に向けての練習や、実際の学年単位や学科単位での発表の場としても、大きなプロジェクターを利用しながら使えます。今は生産経済科棟の中でそういうことをやってますが、生産経済科の生徒だけでなく、普通科やその他の生徒たちも十分使えるような施設になっていますので、様々なプレゼンテーションの練習や発表の場としての活用も可能であると考えています。普通科はあまりそういう機会がありませんが、できれば普通科の生徒もプレゼンテーションをするような機会を作ることができればと考えています。
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学科間連携

 食物調理科と生産経済科の間では、食農連携で、地域の方を含めたり、あるいは科の生徒全体を集めて、エコをテーマに何かやろうと考えているようです。そもそも連携はしているのですが、生産経済科で作ったイチゴを使ってショートケーキを作るとか、果樹園でできた不揃いのミカンをお菓子に利用する等でしたので、調理実習棟ができた機会にもう少し発展させた形のものを、ということです。2学科全員でも240名なので多目的ホールが利用できます。うまく連携していいものができていくことを期待しています。
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使いやすい多目的ホールのかたち

 多目的ホールは前の方に広いスペースがありますので使いやすいと思います。テーブルを並べて作業台にすることもできます。 講演の時はイスを出して、食事の時はイスを収納しフロアを広くして、その他にもいろいろと使えると思いますが、生徒たちにとっても地域の方々にとっても、非常によいスペースができました。

 完成した調理実習棟を中心に、地域の方々に多く来て頂けるよう、さらなる地域への開放、地域密着を目指し、また、多様な学科がある本校の特徴を活かした生徒活動の幅を広げる場として、お互いに一体感を深め刺激し合える場として、大いに利用していきたいと考えています。

所在地

三重県多気郡多気町

施主 三重県
創立 1907年
新棟竣工 2011年5月
納入数 移動観覧席304席

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