新生滝沢市のシンボルとなる「ビッグルーフ滝沢」
2014年1月、日本一人口の多い村として知られていた岩手県滝沢村が、滝沢市として生まれ変わりました。そして、市の中心である市庁舎に隣接し、岩手山を望む田園に囲まれた場所に、2016年12月、滝沢市交流拠点複合施設「ビッグルーフ滝沢」が誕生しました。
生きがいのための学習支援施設、発見・創造のための交流支援施設、活動の受け皿となる市民活動団体支援施設という三つの目的を持った、地域住民の生活を豊かにする施設です。
「みんなでつくるふれあいの大屋根」という意味を込めた施設名は「ビッグルーフ滝沢」。施設名どおり大きな屋根のかかった、新生滝沢市のシンボルとなる複合施設です。
イベントの規模やスタイルに合わせて変化する大ホール
多目的に活用できる大ホールには、移動観覧席とスタッキングチェアが導入されました。
フラットなフロアの後方に移動観覧席を、その前方にスタッキングチェアを並べると、462席が収容できる劇場が出現します。ステージは、フロアの延長線上にあるためフロアと同じ高さですが、「せり」であるスタッキングチェアを乗せた床を下げることで、どの席からもステージを見やすく変更できます。「せり」をフロアより高く上げると、ステージに早変わり。「せり」の後ろに幕を下ろし移動観覧席と組み合わせると、一回りコンパクトなホールとして利用できます。
大ホールの隣にはホワイエが、その隣には小ホールが並んでいます。それぞれの間に設けられたスライディングウォールを開くと、大ホールからホワイエ、小ホールまでが一続きとなった空間が生まれます。多様なスタイルのイベントが、ホール内に留まらず広く開催できるつくりになっています。
多様なイベントを可能にする移動観覧席
移動観覧席は全体移動式です。移動観覧席本体の下に風船のようなエアーキャスターを差し込み、空気を送り込み浮かせることによって、実際の重さよりも小さな力で動かすことのできる仕組みです。自由に動かせることによって、ホワイエや小ホールに移動して利用することもできます。また、移動観覧席本体は三つのブロックに分けられるため、イベントによって組合せを変えることも可能です。
移動観覧席に搭載したイスは、スリムながらもクッション性の高いタイプ。内部のウレタンフォームだけでなく、イスを包んでいる張地もクッション性を持っているため、見た目以上の豊かな座り心地を実現しています。離席時は背と座がぴったりとくっつき、コンパクトにたたまれます。通路を広く確保でき、来場者がスムーズに客席間を移動できる仕様です。
シンプルなデザインのスタッキングチェアの上台素材は、合成樹脂成形品です。身体に沿った三次元局面に成形されており、ゆったりと身体を預けることができます。座った時に身体が少し上を向くように設計された広い背もたれが、鑑賞時の姿勢をサポートします。座パッド付きで4.2キロと軽量なことに加えて、シングルタイプの台車に40脚積載できるのも、管理者に好評なポイント。着席者だけでなく、設営者にも配慮したスタッキングチェアです。
華やかな馬具を纏った馬を連れて練り歩く無形民族文化財「チャグチャグ馬コ」を連想させるイスのカラーリングが、ホールを賑やかに彩ります。
オープンから1年、発表会やコンサートに加え、講習会や映画鑑賞会、エアートランポリン教室や車の展示会など多彩なイベントが開催されているホール。市内だけに留まらず県内からも多くの人が集まり、滝沢市の活性化に一役買っています。