日向市役所
議場

2018.07.10
議場

施設説明

木の香りあふれる、新しい日向市役所

2018年5月、宮崎県日向市に新しい市役所がオープンしました。

50年以上にわたり大切に利用されてきた旧庁舎は、老朽化が進み、耐震性にも不安がありました。そこで、東日本大震災を機に高まった防災拠点施設となる市庁舎の必要性と、さらに多様化する行政需要への対応を背景に、庁舎の建替えが決まりました。

新しい市役所は、市内で切り出されたスギやヒノキをふんだんに使用し、木の香りがあふれています。外から自由に出入りできる広いテラスを備え、各所に「たまり」とよばれる市民のスペースが設けられているため、用事がなくても立ち寄ってひと時を過ごすことのできる、日々の生活に身近な庁舎となっています。

機能と美しさを兼ね備えた議場家具

議場は、馬蹄形にレイアウトされた議員席が特徴的です。議員席は、2~4人掛けで複数列にレイアウトされることが一般的ですが、議員がより議会に参加しやすい環境を創り出すため、馬蹄形が選ばれました。このレイアウトは、議員全員が最前列の席になるため、前列の人の頭で視線が遮られることがありません。発言者の顔をしっかりと見ることができるため、議論もより活発にスムーズに進みます。

机は、天然木の美しさが際立つシンプルなデザインです。天板下には書類を置ける棚を設け、以前は置き式だったマイク設備も机に埋め込み、すっきりとした見た目にまとめました。隣の席と一体に設計されていますが、1席ごとに目地を入れ、個席感を演出しています。

イスは、滑らかな曲線を描く天然木のフレームに、厚みのあるクッションを携えた重厚感のあるデザインです。議長・事務局長席以外は、全てキャスター付きの可動タイプ。上下に分かれた背のクッションが、議会中の議員や理事者の身体をしっかりとサポートします。天然木と、傍聴席と揃えたワインレッドの張地の組み合わせによって、気品ある議場が完成しました。

議員席が身近になる傍聴席づくりを目指して

以前の議場は、議会席と傍聴席のフロアレベルにかなりの差があり、傍聴者が議会を見下ろすような形でした。今回は、議場とほぼ同じフロアレベルに設け、より間近での傍聴ができるように改善しました。市民の代表である議員の真後ろに座るため、議会の一員かのように気が引き締まります。

全席にメモ台が備え付けられ、メモを取りながらの傍聴も可能です。また、最前列の両サイドには車イス席が、後方には個室で仕切られた親子席が設置され、さまざまな市民が気軽に傍聴できる環境が整いました。

市民に開かれた庁舎の明るく穏やかな議場空間で、2018年6月より、市議会がスタートします。

居室データ

所在地
883-0045 宮崎県日向市本町10-5 地図
施主
日向市
設計
内藤・安藤アーク甲斐設計共同企業体
オープン
2018年5月
※グランドオープンは2019年3月
席数
89
※傍聴席38席を含む
関連リンク
  • 日向市 webサイト