相浦地区複合施設(愛称:あいあいプラザ)内
相浦地区公民館 多目的ホール

2018.07.17
多目的ホール(可動席)

施設説明

※2023年5月より、ディバイダ―はディバイディングカーテン(愛称:SIKIRUTO)に変更しております。
 ここでは、記事公開時の呼称をそのまま使用しております。

佐世保市北部地域の核となる「あいあいプラザ」

2018年5月7日、相浦地区複合施設「あいあいプラザ」がオープンしました。

あいあいプラザは、長崎県佐世保市の相浦支所および、同地区公民館の老朽化に伴い、両施設の役割を兼ね備えた複合施設として建てられました。

市役所支所機能に加えて、多目的ホール、図書室、武道場、講座室、和室、調理室などの公民館機能が設けられ、相浦地区のみならず、佐世保市北部地域の核となることが期待されている施設です。

多種多様な催しを行える多目的ホールを目指して

公民館のエントランスを入って左側にあるのが、施設内でもっとも広い空間である、700人を収容できる多目的ホールです。

施設の機能検討段階で、地域住民から、旧相浦支所に併設していた「相浦公会堂」の機能を維持してほしいとの声もあり、反映すべく、検討を重ねました。その結果、移動観覧席スタッキングチェア大型間仕切「ディバイダー」を新たに導入することによって、多種多様な催しを行える多目的ホールが誕生しました。バドミントンコート3面が入るこの空間は、広すぎず狭すぎない、市民が利用しやすい絶妙な広さの多目的ホールです。

イベントの幅を広げる、移動観覧席・スタッキングチェア・ディバイダーの組み合わせ

普段は平土間状態の多目的ホール。バドミントンや卓球、剣道などの社会体育活動の場として利用されています。ホール後方に収納されている移動観覧席を展開し、その前にスタッキングチェアを並べれば、講演会や文化活動の発表会などに利用しやすい700席の客席があるホールができあがります。

移動観覧席は、リモートスイッチを本体に差し込んでボタンを押すだけの操作で動かすことができます。約2分半で252席の客席が展開できるため、設営作業の負担が低いことが特徴です。客席は階段状のため、後方の席に座っても視界が確保でき、前に座っている人の頭でステージが見えないという心配がありません。この移動観覧席は全体を前後に動かすことができる前方移動式タイプであり、ホール前半分だけを使う際は移動させて設置し、空間の広さを調整することも可能です。

アリーナの観覧席用として使用することを目的に開発されたスタッキングチェアは、座った時に自然と身体が斜め上を向くように設計されています。身体に沿った三次元局面の座面と背もたれが、着席者の身体をしっかりと受け止め、長時間の着座も快適に過ごせます。使わない時はステージ下に収納する台車に載せることで、倉庫スペースも占有しません。

ホールの中央に設けたのは、大型間仕切「ディバイダー」です。電動で天井から下りてくる間仕切幕は、空間を二つに分け、それぞれの空間を異なる催しや活動に使うことができます。幕は二重構造のため、ボールや人がぶつかった時の衝撃を吸収し、反対側の空間への影響を最小限に抑えます。また、天井から床面までしっかりと区切るため、空調による競技の負荷を嫌うバドミントンと、空調を入れたい競技・イベントを、分割した空間で同時に行えることを期待されています。

移動観覧席・スタッキングチェア・ディバイダーの三つを組み合わせて使うことで、多目的ホールという一つの空間の幅が大きく広がりました。移動観覧席を利用したイベントを行いたいという市民の声も多く、今後の活用が注目される多目的ホールです。

居室データ

所在地
858-0914 長崎県佐世保市川下町209-5 地図
施主
佐世保市
設計
有限会社石橋建築設計事務所
オープン
2018年5月
席数
700
※移動観覧席252席を含む