キリストの教えを礎に、100年の歴史を持つ伝統校
学校法人福岡女学院は、1885年に米国のメソジスト監督教会から派遣されたジェニー・ギール女史によって創立されました。創立から今日まで、キリスト教を基盤とする人間教育や女子教育を重んじ、幼稚園から中学校・高等学校、大学・大学院、看護大学を擁する、歴史ある総合学院です。
月曜から金曜の午前中、学生が参加するチャペル礼拝が行われるのが、ギール記念講堂。2016年、本学院の卒業生より、世界最高峰と評されるピアノ「スタインウェイ」が寄贈されました。同時期に、約56年間使用したコトブキシーティング製の客席をリニューアルすることになりました。
リニューアル前のイメージを守りながら
講堂では、日本唯一の中部ドイツバロック様式のパイプオルガンが存在感を放っています。コトブキシーティングは、この厳かな空間の雰囲気を継承し、現代の新しい空気も感じられるイスを提案しました。
リニューアル前の客席にも、コトブキシーティングが当時納入した木質のイスが並んでいました。そのイメージを引き継ぎ、天然木を基調とした家具調のデザインと、新たに学院のシンボルマークである「ぶどう」を連想できる織とカラーを張地として採用。座席の幅は既存より6センチメートル、前後の間隔は既存より9センチメートル広くすることで、座り心地の改善と出入りのしやすさを向上しました。また、新たに肘掛が跳ね上がり車イスの人でもイスに移乗しやすいバリアフリー対応席を設け、様々な行事に対応できるようになっています。
講堂は、2017年5月13日に行われた創立記念式典及びスタンウェイピアノコンサートで多くの来場者に公開されました。イスの張地を利用して製作したポーチと名刺入れは、竣工の記念品として同窓生、教職員に大変喜ばれています。
これからもギール記念講堂は、福岡女学院の学生たちの心のよりどころとして、永く愛されていく空間となることでしょう。