東京工業大学 大岡山キャンパス
東工大レクチャーシアター(リニューアル)

2018.04.12
学校教室

施設説明

「世界最高の理工系総合大学」を目指す東京工業大学

東京工業大学の歴史は、日本最初の国立工業学校として1873年に設立した工学寮工学校から始まります。以来、産業技術近代化の推進を担う人材育成を使命に掲げ、欧米の科学技術を取り入れた先進的な教育活動を行いながら、世界を舞台に活躍できる人材を輩出してきました。

2016年4月からは、科学技術の力でグローバル社会に寄与できる人材育成のため、教育システムの抜本的な改革をスタート。日本の大学では初となる、学部と大学院を統一した「学院」を創設しました。

これからの科学技術の発展を担う人材の育成、そして地球規模の課題を解決する研究成果が社会に寄与することによって、「世界最高の理工系総合大学」の実現を目指しています。

東工大レクチャーシアターの誕生

これらの教育改革を視野に入れて、2015年4月に先駆けとしてオープンした施設が、東工大レクチャーシアターです。既存の教室を大幅に改修・整備し、完成させました。

東工大レクチャーシアターでは、大学の最先端研究者や国内外の著名な研究者、ノーベル賞級の発見・発明者を講師として招き、主に初年次の学生を対象に、創造的討論や実験の実演を伴った講義を開講しています。電子顕微鏡、元素分析装置、3Dプロジェクターなど、最新鋭の機器はもちろん完備。大学に入学したばかりの学生が、科学・技術の最先端を体感し、奥深さや楽しさを再発見しながら学びを深め、夢を膨らませることができるよう、居室の設計にも様々な仕掛けを施しました。

空間設計のコンセプトは、「魅せられる講義」そして「臨場感のある演出」。一つ目の仕掛けは、演台を取り囲むような、急勾配の階段状の座席配置です。これにより、どの席でも演台スペースから臨場感が伝わるレイアウトを実現しました。

二つ目は、講師が講義・実験を行う演台スペースに、段差の無いフラットな床面を広く取り、多様なプレゼンテーションへの対応を図ったこと。スクリーン2枚、電子黒板1台を配備し、黒板塗装を施した前面の壁も、講義の演出の幅を広げます。

三つ目は、通常の教室よりもグレードアップを図った劇場仕様のイスです。

劇場仕様のイスでレクチャーシアターの雰囲気を高める

コトブキシーティングが納入したイスは、「レクチャーシアター」の名に相応しい、劇場・ホールや講堂を思わせるデザインです。一般的な教室のイスと一線を画すボリュームのある背と座のクッションで、座り心地も快適。

劇場のイスは、通常、パーソナルスペースを確保できるよう、隣り合う座と座の間には一定の間隔がありますが、東工大レクチャーシアターのイスは、座面が一続きになるよう座の横幅が広く設計されています。これは、聴講人数が多いイベント時を想定した仕様です。座面が繋がることにより、1席1席の境がなくなり、詰めて座ることが可能になるのです。
一方で席数に対し人数に余裕がある時は、2席分のスペースに1人で座ることもできるなど、席数の調整の幅が広がる特別な設計です。限られた既存スペースで最大限の座席数を確保できるよう、テーブルは収納式タイプを背の裏に設置しました。

イベントに応じて更に席数を増やしたい時のために、演台スペースに置けるメモ台付きのスタッキングチェアも導入しています。色は、2色に張り分けられた固定式のイスと合わせてグラデーションになるよう、ワインレッドを選びました。

これからの新しい教育環境のモデルとして、いま大きな注目を集める東工大レクチャーシアターです。

居室データ

所在地
152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1 地図
施主
国立大学法人東京工業大学
設計
株式会社類設計室
オープン
2015年4月
席数
274
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